「くじらもち」なんて鯨のお肉が入った餅のような名前ですが、実は全く入っていません。
ではどこから「くじらもち」という名前がついたのでしょう?
由来については諸説ありますが、漢字では「久持良餅」(久しく持ち良い餅)と書き、日持ちの良い食べ物として、古くから狩りや戦いの場出かける時の携帯食として重宝がらていたからと言われています。
また、色が鯨のお肉と似ていたから、昔は重さ2キロもある巨大なものが作られていたからなど、その見た目から「くじら餅」と呼ばれたとも言われています。

鯨のお肉でなければ何が入っているのでしょうか?
地域ごとに微妙な違いはありますが、広くは餅粉にクルミを入れ、砂糖やみそ・しょうゆで味付けされています。
それを羊羹のような型に流し込み、蒸し上げて完成です。
そうしたシンプルで素朴な味付けは今でも変わらず受け継がれており、今ではこの地方の春の節句、おひな祭りに欠かせないお供えものとなっています。
節句が近づくと、どの家庭でもくじら餅を作るのが習わしで、近所同士、我が家の味を自慢し合い、茶のみ話に花を咲かせるのが、春近しの風物詩ともなっています。
※写真左から「味噌くるみ」 「白砂糖くるみ」 「黒糖くるみ」

やわらかいときは1~2センチ程度に切り分けて、そのままおいしく食べられます。
また、くぢら餅は原材料に餅粉を使用していますので、数日経過しますと必ず固くなってしまいます。
固くなったときは、フライパン・オーブントースター・ホットプレート等で軽く焼いていただくと、程よいカリカリ感とくるみが香ばしい独特の風味が楽しめます。
やわらかいときとはまた違った味わいが出るので、あえて固くなってから焼いて食べる方も多いです。

※保存方法…ラップで包んで冷蔵庫に保存して下さい。長期保存の場合は、冷凍保存をおすすめします。